大森靖子作詞 MAPA「蒼夜ミルキーロード」について

「蒼夜ミルキーロード」とは、大森靖子プロデュースの4人組アイドルMAPA1stアルバム収録の曲のことで、リリースされた2021年から今に至るまで、私が1番聴きながら泣いた曲である。

まず初めて聴いた時に泣いた。歌詞とメロディがあまりにも優しくて、包みこんでくれる柔らかさと星空のような煌めきを併せ持っていて、近年最大の救いの歌だと感じた。

 

上手くいかないことがあった帰り道に聴くと、「Ah 泣かないで 泣かないで 女の子」という入りからもう泣いてしまう。泣かないでって言われてるけど。

「気にせずにいられない君が好き」という歌詞が好き。色んな小さなことを気にして、思い出して自己嫌悪なときに、そんな自分ごと愛してくれる存在がこの世にあることが嬉しい。

「かわいいを凛々しく守ってゆこうね」「真理を護っていこうね」という歌詞も好き。一緒に戦ってくれる存在としてのMAPAを近くに感じさせる。

「何色のワンピース」という歌詞にも、大森靖子のこだわりを感じて感動する。大森靖子の歌詞にはワンピースがよく登場するし、「色」についての歌詞もよく出てくる。水色とピンクがとても多く、憧れと憎しみと愛情をもって、女の子の勝負服としての「ワンピース」をよく登場させている。

 

MAPAというグループは不思議なもので、アイドル歴としては短いメンバーが殆どであるにも関わらず、歌に非常に説得力がある。デビューアルバムで「アイドルを辞める日」を歌い上げるのだから驚いた。アイドル歴の長い古正寺恵巳がいるというのも説得力の理由ではあるのだろうが、他の3人の並々ならぬ努力もあるのだろう。「今を生きる女の子の一番の味方として一緒に戦おう」との覚悟を、めきめき上達する歌唱力から感じるのだ。

怪獣GIGANirvanaなど、目の前のファン、そして画面の向こうで聴いている人すべてに、届けようという気概がすごい。

 

そしてライブ参戦した歌舞伎町大森靖子祭で、大森靖子コーラスの蒼夜ミルキーロードを生で聴くことができた。

これは私の生涯の宝となるであろう経験で、ライブから1ヶ月経つ今でも鮮明に思い出せる。

MAPAが歌いながら踊って、ステージの少し奥で座りながらコーラスし、タンバリンを振る靖子ちゃんの声が優しい。激情的な歌い方も、聖母みたいな歌い方もできる大森靖子の幅には毎度驚かされる。

MAPAの歌声のメッセージ性が、会場の奥まで真っ直ぐに伝わって、例によって涙が出てしまった。あと振り付けが可愛い。ロングワンピースだった茉世がスカートの裾を持ち上げて踊るのが最高にかわいい。遠かったから見えなかったけどYouTubeの動画見たらめちゃくちゃ素敵な笑顔だった。すき。

とにかく言えることは、マジでお願いだから真剣に、蒼夜ミルキーロードでMVを出して欲しい。絶対素敵なMVになるに違いないと思う。

私だったらどんなMVにするかというと、イメージとしてはゆるめるモ!の「ナイトハイキング」のような、夜の市街地からそれぞれ歩き始めたメンバーたちがサビで合流するような。メンバーがサビで合流するロケMVは素敵なものが多い気がする。乃木坂2期生の「アナスターシャ」とかイコラブの「君と私の歌」とか。

とにかく彼女たちの蒼夜ミルキーロードを目に収めるには今のところ、大森靖子祭のライブ映像を見るかライブを見に行くかしかないので、今後積極的にMAPAの現場に参戦したいと思いました。

主人公嫌いのわたしが虎杖悠仁を嫌いにならない理由は何か

少年漫画の主人公のことが、私は初見では大概好きになれない。鬼滅の炭治郎、ハイキューの日向、Dr.stoneの千空、名探偵コナンのコナンくん、ドラゴンボールの悟空、etc.

無論、話を読み進めていけばかならず段々と主人公を応援したくなるものであり、今でもなお心の底から嫌いなキャラは居ないが、とにかく最初は「なんかムカつく」のである。


これらの主人公に通ずる部分として、「底抜けの善人」「明るくみんなに好かれる」「努力家で優しい」などがある。

虎杖悠仁も漏れなくこれらの項目に当て嵌まるにも関わらず、別にムカつかないのである。

虎杖はジャンプ公式での人気投票で、イケメンキャラの五条や伏黒を抑えて堂々1位に輝いているため、「虎杖は主人公だけどムカつかない」というのは、私の個人的な好みというだけではなさそうである。


では、なぜ虎杖にはイラつかないのか。以下考察する。


 圧倒的に報われない

大抵の主人公は努力が身を結び、どんどん強くなって敵を倒していくものだが、虎杖は今のところ戦績が悪すぎる。

最大の敵・宿儺は自分の中でピンピンしてるし、花御、漏瑚、陀艮を倒したのは虎杖以外のキャラであり、脹相には敗北して半殺しにされ、やっとのことで真人を祓えるかと思われたが真人は祓われることなく偽夏油に取り込まれている。

七海、釘崎、吉野順平など、既に仲間を何人も真人に殺されたうえでこの結果である。あべこべおじさんやバッタなどは倒しているが、戦績と比して喪ったものが多すぎる。

ジャンプ漫画の主人公が頑張った分だけすくすく成長していくことにリアリティのなさを感じていた私にとって、虎杖を待ち受ける地獄すぎる展開は、むしろ彼の好感度を上げる要素となっているのである。


②倫理観がズレている

これは芥見先生のイチオシポイントであるが、虎杖は15歳のくせに平気でパチンコに行く。スプラッタ映画を平気で観て「クソつまんねぇ」と言い、祖父に自分の両親の話を聞かされそうになっても「興味ねえ」の一点張り。底抜けの善人と言い切るにはツッコミどころが多すぎる。他のジャンプ漫画の主人公にはエロ本を読まず、もし見せられたりしたら顔を真っ赤にしそうなキャラが多いが、虎杖は今どきの子なので平気でネットでAVを検索する。一応今のところ飲酒シーンはないが、「釘崎は俺が"あの状況で"酒を飲みかねないと思ってんの」というセリフがあり、未成年飲酒そのものを駄目だと思っている様子は無い。「善人ではない」とまでは言えないが、法律的なところで言えば少し議論の余地がありそうだ。


③ヒロインとくっつきそうにない

別に私はガチ恋勢ではないが、バトル漫画に差し込まれる恋愛要素は極力不要だと思っている。モブならいざ知らず、メインの女性が主人公のお嫁さん枠で消費されるのは我慢ならない。呪術廻戦における恋愛要素は与×三輪しかなく、しかも与は三輪とリアルで会えることなく死亡するという徹底した報われなさ。さすが単眼猫先生。釘崎は虎杖とも伏黒ともくっつかなそうだし、過去編でヒロイン枠(?)だった家入も五条と夏油に恋愛感情はゼロである。もしかしたら、そもそも呪術廻戦にヒロインなんてものはいないのかもしれない。


④他人を守れるほど強くない

少年漫画の主人公は大抵ヒーローなので、基本的にいつも誰かを助ける。だが虎杖の場合、目の前で順平、七海、釘崎をやられ、伏黒のピンチを救ったのは虎杖ではなく宿儺である。一般人のことは救えたのかというとそうでもなくて、少年院の少年も死んでるし、吉野凪も殺され、渋谷事変で1番大量殺戮を行なったのは宿儺(虎杖の身体)である。渋谷事変では完全に自分のことで手一杯。今んとこ虎杖がヒーローらしかった瞬間なんて初期に指を飲んで伏黒を助けたところと、真人の領域展開に侵入して七海を救った場面、交流会での活躍くらいである。「強いくせに結局のところ本当に大切な場面で大切な人を救えていない」という点では、五条と類似する。切なすぎる。鬼滅でいえば猗窩座みたいな。


もちろん、心を折られ続けた虎杖悠仁は、これからもっと強くなって、沢山の人を救うようになるのだと思う。ここまで地獄の展開に打ちのめされる様子を見た後では、素直に応援できるというものである。

元嵐担の新規トラ担が賛成コンに初参戦した話

トラジャにハマってわずか1年のド新規オタクだが、友人に誘って頂きIMAGE NATIONの東京公演に初めて参戦した。


この文章はかつて嵐ファンだった出戻りジャニオタが記憶を辿りながらコンサートを楽しみ、新たな沼に沈んでいくタイプの沼落ちブログだ。

*1




まず痺れたのは1曲目、オリ曲『VOLCANO』の机(?)に向かって座った状態での歌い出し。いにしえの嵐担としては、アラフェスでの『COOL&SOUL』の演出を想起させるものでゾクゾクした。机に向かって座っているだけでもカッコいいのに、『VOLCANO』はなんと7人円形になって向かい合っている。一部メンバーは途中で肩を組み始める。最初からコンビ萌え。泣きそう。コンビ萌えで長年やってきたジャニオタなので、この時点で「わかってらっしゃる……」と演出に脱帽。途中でバン!と机に手をついたり、上に立ち上がったり。ヤンチャだね〜素敵だね〜。円盤化されたら1曲目でリピしてしまって先に進めないこと間違いなし。一人ひとりの動きがカッコいいのに全員を目で追えなくて悔しい。今だけ黒死牟になりたい。


それから私の推し曲、『YES! I SCREAM』。なんたる可愛さ。キスマイ兄さんありがとう。嵐の『happiness』を小学校の運動会から聴いていた世代としてはこういうアップでハッピーな曲調は実家のような安心感がある。そして何よりトラジャに似合う。もちろんキスマイ兄さんのために作られた曲なのでこんなことを言うのはおこがましいけれど、とにかくこのハッピーな7人の男の子たちにしっくりくる。何度聴いても神曲


堂本光一の『INTERACTIONAL』もとても良かった。堂本兄弟の曲ってマジでハズレがないよね。松松はキンキ推しだと知ったときから信頼度が100上がった。歌唱力ありきのKinKi Kidsの曲を、ソロコンでも何曲も歌いこなしていた松松、マジですげぇ。そのくせYouTubeではボケ担当のおちゃらけコンビなんだから、本当に、本当にさ………


Last Dance』の最後の松田元太のアカペラ、魂が震えた。シンプルな演出は自信がないとできない。あんなの一音でも外したら大事故で失笑ものだが、見事に歌い上げていた。自分の声だけで観客を魅了できる自信が既にある若干21松田元太、強すぎる。


続く松倉の『手と手』も、アコギ弾き語りのシンプル演出。歌唱力だけをガチンコにぶつけてくる、良い。でもこれ自体はソロコンでも見たやつだな〜と思っていると、なんと2番と同時に他メンが登場、歌いつないでゆく。こういうあったかい曲で、ソロ他メンの歌のバトンは、相葉雅紀ソロの『Hello Goodbye』を思い出した。ンーー、あったかい。

そして!何より!私は「私服っぽい衣装大好き侍」と申す者だが!そこで出てきたしめのピンク色のパーカー衣装がほんっとうに、良かった。マジで可愛すぎた。華奢で背が低めだからか、オーバーサイズ気味に着こなされたピンクパーカー。あざとさ満点のこの衣装がこんなに似合う成人男性は日本中探しても彼くらいだろう。ちゃかの赤パーカーも良かった。こちらは週刊少年ジャンプの主人公みたいでとても良かった。(呪術廻戦の虎杖が赤パーカー着てるので…)とりあえずメンバーみんなオーバーサイズのパーカーコーディネートで写真集とDVD &Blu-ray発売して欲しい。この衣装で『アオゾラペダル』を歌うもんだからエモいのと可愛いのとで情緒が乱れた。どうしてくれる七五三掛。


そして場面はガラッと転換し、最強センター宮近のソロダンス。赤い光をバックにバチボコに踊り散らかす。100人くらい殺めてきたんか?ってくらいのド迫力。「王です!」って名乗ってたけど、言葉通り絶対的王者の風格があった。覇者・宮近がトップで踊り続けるからこそ、TravisJapanのダンス力は向上の一途を辿るのだろう。誰にも追い付かせない強さがある。


小噺?を挟んでの、閑也担当の『CARNIVAL NIGHT』もとても良かった。カーニバル師匠の滑り芸は、だんだん求心力をつけてきたと思う。コロナ対策で声出し禁止だった会場内だが、たしかにあの瞬間はみんながひとつになっていた。ありがとう師匠。包み焼きハンバーグになる日を楽しみにしております。


のえるによる『Rolling Days』は神演出だった。ちゃかとの絡みがエッチすぎる、何事かと思った。そもそも選曲がいい、櫻井ソロはエッチなんだってはっきりわかんだね。のえるの衣装の似合うこと似合うこと、宝塚に出れそうな舞台派オーラが半端ない。


それから中村演出の『Water Drop』も、蛍光色に光る椅子や布を使った演出がオシャレすぎた。ソロコンの時も感じたが、中村海人の演出はとてもお洒落度が高い。本人のセンスとこだわりがふんだんに発揮されている。「これを見たら自然って大事だなーって気持ちになると思います」と言ってたけど、その点についてはよく分からなかった。まあ可愛いからオッケー。


そしてそして、続く中村ソロ『Rain』も想像を凌駕する良さだった。正直Rainのイントロが流れた時点で、元嵐ファンとしては「うわー中村くんこれ歌っちゃうんか」と心配な気持ちになった。なんせ元が大野智ソロである。国民的アイドルの「歌・ダンス上手い担当」の大野智のソロをカバーするのは、どう考えても難易度が高い。それに中村海人はトラジャの中では歌が上手い方という印象はなかった。けして下手なわけではないが、松松をはじめ他メンのレベルが高すぎて、声量の無さが相対的に際立ってしまう印象だった。……が、中村海人Rain、予想の何倍も素晴らしかった。私のようなにわかが意見するのは申し訳ないが、中村は昔に比べ歌唱力が格段に上がったと思う。長い脚を生かしたダンスも美しくて、見ているオタクに初恋のようなときめきすら与えてくれた。歌、努力したんだろうなあ。推しの成長を見届けられるのがアイドルオタクの楽しみのひとつですね。


それからしめしずの「星に願いを」はマジでザワザワした。しめしずといえばほんわか系仲良しコンビのイメージだが、こんな華麗な演出で向き合って歌っているのを見せつけられてしまうとオタクはざわつく。一気に「ガチ感」が出る。なんかエッチになる。先程ののえちゃかもエッチだったけど、あれは「意図されたセクシー」であり、しめしずのは「匂わせてくるエッチさ」である。これらは似て非なるもので、後者は「我々は今何を見せられているんだ……?」と宇宙猫状態にさせられてしまうのだ。こんなの、嵐ファン時代ににのあい担だった私がにのあいにやられたら泣いてしまう。オタクの需要を確実についてくるあざとさ、流石である。


そして新曲『The Show』、サイッコウだった。終盤にバチバチのダンスで勝負を仕掛けてくれる、それでこそTravisJapan。ダンスも安定に最強だったが、驚かされたのはソロパート率の高さだ。サビに至るまで(wowwowとかいう掛け声以外)ほとんどがソロパートである、バチバチに踊っているというのに、ひとりひとりの歌唱力が生きている。踊れて、かつ全員が一定水準歌えて、かつ多彩な表現力で魅せられるグループでないと大事故になる曲である。他グループのパフォ力には詳しくないのだが、私はこの曲はトラジャにしかできない最高難度のものだと感じた。


アンコール、ツアーTで出てきてくれてとても嬉しかった。汗だくで髪が乱れたメンバーたちがオタクとお揃いのツアーTでラスト数曲をキメてくれる、会場のボルテージが上がりまくる瞬間が三度の飯より好きだ。もうちょっと着崩してくれたらなお良かった。肩が見えるくらい破いてセクシーに着てくれて良いんだよ、特に元太と海人。そういえばいつも終盤には前髪ぐっちゃんぐっちゃんになっているのが定番の中村くん、今回は最後まで美しかった。髪型変えたからかな?色気が凄かったので円盤化されたらぜひ拝みたいと思う。



東京ガーデンシアターは一方向の舞台一つのシンプルな会場で、トロッコもムービングステージも無く、コロナ対策かもしれないがメンバーはステージから終始一歩も降りなかった。紐つけてフライングとか、花火とか気球とかド派手な演出に慣れている元嵐担としては、びっくりするほど簡素なつくりだ。それでも2時間以上1秒も飽きさせない鮮やかな演出がなされていて、これらをメンバーが自分で考えたのだと思うと脱帽でしかない。



1年前、友人に勧められてトラジャの存在を知ったときは、正直なところ「完成度が高すぎて逆に将来が心配」という感想を抱いた。ジュニア最年長とはいえ、20代前半にしてメンバー全員相当な歌唱力とダンス力があるので、これ以上の伸び代が期待できないのではないか、と。嵐が20代前半だったころはもっと歌は下手だったし、ダンスに関してはむしろトラジャより踊れるグループを知らない。20代前半のころの相葉ソロと30を過ぎてからの相葉ソロを聴き比べ、「上手くなったなあ」としみじみするのが日課だった元嵐担としては、アイドルとしての伸び代は懸念事項だった。


だが、今回賛成コンに参戦して思い知らされた。TravisJapanは、今なお急ピッチで進化しているのだ、と。歌もダンスも他のジュニアに追随を許さない熟練度だというのに、さらに日々磨きをかけているのだ。



語彙力の限りを尽くさず一言で纏めるならば、コイツらマジでパネェぞ、というのが、本日の感想。


*1:嵐の思い出話、賛成コンのネタバレを読みたくない方は閲覧をお避けください!!